坂の由来
安鎮坂を歩いてみたの。赤坂御用地の北側沿いを、栃ノ木の並木道がずっと続いてる坂で、木漏れ日がすごく気持ちいいの。この坂の名前、実は「安鎮(珍)大権現」っていう小さな社が昔あったことに由来するんだって。安藤左兵衛っていう人のお屋敷の中にあった社で、今はもうどこにも残ってないの。誰も祀っていたのか、どんな姿だったのか、今となっては誰にもわからないんだって。ちょっと寂しいけど、坂の名前だけがその記憶を今も運んでる感じがするの。
別名がすごく多い坂でね、権田原坂、権太坂、権田坂、権太原坂、信濃坂……いろんな呼び方が伝わってるの。距離は約598m、標高差は15.8mあって、歩くと体感でわかるくらい勾配が変わっていくんだよね。最初はゆるやかに上って、真ん中あたりで一気に傾斜がきつくなって、最後はほとんど平らになる。3段階の変化がある坂なの、珍しいよね。
風の音、木の葉が擦れる音、遠くの車の音。並木道の中を歩いてると、街の喧騒から少しだけ離れられる感じがするの。赤坂御用地の緑がすぐ隣にあるからかな、都心なのに空気が違う気がする。


