坂の由来
朝日坂を歩くと、名前通りちゃんと朝の匂いがする気がするの。石畳に斜めに差し込む光で、坂の先がキラキラ光ってて……。この坂の名前、実は近くにあった泉蔵院ってお寺の境内に「朝日天満宮」が祀られていたことに由来する、っていうのが今のところ有力な説なんだって。
由来、実はこれだけじゃないの。新宿区の資料をめくると、説が全部で4つも出てくるんだよね。泉蔵院にあった北野神社を「朝日天神」と呼んでいたから、っていう説もあれば、明治のはじめにはこの辺り一帯が「牛込朝日町」って呼ばれてたっていう記録も残ってて。坂の標柱に書かれてる由来も、時代によって少しずつ変わってるらしいの。どれが本当かは、もう江戸の人たちにもわからなくなってたのかもね。
坂を上っていくと、風がちょっとひんやりしてくるの。標高差は6.5mほどだから、そんなに急な坂じゃないんだけど、緩やかにカーブしながらずっと上りが続く感じ。両側にお寺の甍(いらか)が見え隠れしてて、「横寺町」っていう町名がそのまま今も残ってるのも納得。坂の上まで来て左に折れると、隣の袖摺坂に続いてるんだよ。
今の朝日坂
今、坂の下には神楽坂KIMURAYAっていう、ちょっとおしゃれな食料品店があって、朝早くから開いてる日は買い物客の話し声が坂下まで聞こえてくるの。少し歩くと「コボちゃん像」もあるんだけど、これ実は、読売新聞の4コマ漫画「コボちゃん」の作者・植田まさしさんが神楽坂に35年以上住んでいて、連載第1回の原稿もここで書き上げたことから「神楽坂生まれ」って呼ばれてて、2015年に地元の商店街が建てた像なんだって。季節ごとに衣装まで着せ替えられてるの、知ってた?坂道自体は静かな住宅街で、朝日坂を上りきったあたりまで来ると、横寺町らしい落ち着いたお寺の空気に変わっていく感じがするんだよね。
少し足を延ばせば、赤城神社やアルパカふれあいランドもあって、坂の周りは意外と賑やかなの。朝日坂そのものは観光地って感じじゃなくて、地元の人が毎日ふつうに歩いてる生活道路。だからこそ、朝の光がふっと差し込む瞬間に出会えると、なんだか得した気分になるんだ。
新宿区教育委員会『新宿区町名誌』昭和51年・新宿歴史博物館『新修 新宿区町名誌』平成22年の内容に基づく坂の標柱の由来を紹介。座標のジオコーディング・国土地理院標高データは実測済み/地図:OpenFreeMap(OpenStreetMapデータ)/高低図と地図の連動位置は距離の割合ベースの近似です